交通事故により被害者がお亡くなりになられた場合、被害者の相続人は、加害者に対して慰謝料を請求することができます。この慰謝料の中には、死亡した被害者本人のもの(相続人は、この被害者本人の慰謝料を相続することになります)と近親者固有の慰謝料があります。
実務では、死亡慰謝料(近親者固有慰謝料分を含みます)について三分説をとり、「一家の支柱2700~3100万円」、「一家の支柱に準ずる場合2400~2700万円」、「その他2000~2500万円」とされています。
平成10年過ぎころから、加害者が悪質な事案(事故態様の悪質性、事故後の救護義務・報告義務違反、事故態様について虚偽の主張をするなど)では、死亡慰謝料を大幅に増額する裁判例が散見されるようになりました。
さらに近時は、交通専門部において、反社会性が非常に強いと評価できる事案で、4000万円以上の死亡慰謝料を認める裁判例が相次いで出されています。
たとえば、無免許・飲酒運転で事故を起こし、逃走中被害者を2.9㎞にわたって引きずる中で死亡させた事案について、通常の交通事故の範疇を超えて殺人罪に該当するとして30歳会社員本人の慰謝料3500万円、妻子の慰謝料各250万円、総額4000万円を認めました。1で述べた慰謝料基準は、過失が前提となっていますので、被害者を引きずる中で徐々に故意が生じたといえる特殊性から慰謝料額が高くなったと考えられます。
損害賠償・保険
後遺障害
当事務所について